包丁一本さらしに巻いて

バンドルカードを作ってる

今自分達は株式会社カンムでバンドルカードというサービスを作ってる。手前味噌だけど、こいつがなかなか良いサービスだと思ってるので、ちょっと書いてみる。

その手に握りしめた220円

自分が中学生の頃、少年ジャンプは220円だった。公式には毎週月曜日発売を謳っていたが、近所には前週の土曜日に公式ルールに上等キメる駄菓子屋で少年ジャンプが売られはじめており、かくいう自分も毎週土曜日にワクワクしながら220円握りしめてその駄菓子屋に通っていた。(すみませんでした)

その頃の少年ジャンプは『ONE PIECE』がまだウソップやゾロを仲間にしているあたりで、『ジョジョの奇妙な冒険』は第五部後半物語の核心に迫るあたりで、『いちご100%』は全てに対して感謝…ってなり、後に『To Loveる』という金字塔を残す事になる矢吹健太朗さんが『邪馬台幻想記』や『BLACK CAT』という比較的シリアスな漫画を書いていた時代だ。現在進行中の田中芳樹原作『銀河英雄伝説』(傑作の上に傑作を重ねるのかよ最高かよ)を書いている藤崎竜さんが『封神演義』の大ヒットを飛ばし、『WILD HALF』で新たな癖を開拓される人が現れ、そしてギャグ漫画という領域を『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』で革命し、続く『武士沢レシーブ』、『ピューと吹く!ジャガー』で生ける伝説となったうすたきょうすけ先生全盛期だった。

漫画の話をし始めると永遠に話をしてしまうのでこれくらいにして、何がいいたいかというと毎週の220円で自分の人生が大きく変わったという事。辛い時にジョルノやブチャラティの言葉を復唱し、「ぶっ殺すと声に出す時には既に行動は終わっていなければならない」というイタリアンギャング鉄の掟を守りながら、大学生、社会人になっても色々な場面を切り抜けてきた。

今その手に握りしめるのは

時は移り変わって2017年、220円握りしめてたその手にはスマホが握られている時代。当時の点在している水を張った小さなバケツ同士が「相互リンク」という太古の技術によって繋がってるインターネットからは、全く想像できない程大量の面白いコンテンツやグッズがオンライン上で公開されている時代の話だ。

POSA(コンビニに吊ってあるカード=iT◯nesギフトカードとか)もある。あるにはあるけどコンビニと組める大手数社だけでカバーできるほど、iPS細胞よろしく多種多様な自己増殖を続けるインターネットはGかAかDかL色に染め上げれるほど単純でも貧弱でもないのでは、という想いがある。

バンドルカード

やっとたどり着いた。バンドルカードの話をしたかった。このVISAプリペイドカード、色んな制約(残高上限10万、チャージ可能額月12万)が存在するかわり、未成年でも親の同意があればアプリから即発行可能なプリペイドカードだ。VISAブランドの為、VISA加盟店ではほぼ利用できる(利用出来ない店舗はこういうところ)。

これなら中学生だろうとお小遣いをチャージすれば、親のクレカを借りずにオンラインでコンテンツやグッズやチケットを買える。また、クレジット機能は搭載していない為、はちゃめちゃに使いすぎてしまう事もない。加えて、リアルタイムに通知が来て残高更新されるので普通に現金使うより便利だと思うし、クレカを使う前にこういうサービスでリテラシーを少しづつ上げていくのは社会に出てクレカを持つようになってからも非常に役立つと思う。

物心ついた頃からスマホやオンラインコンテンツがすぐそばにある人達が、人生変わるようなコンテンツやグッズを、ただただ安全で使いやすい決済手段が身近に無いだけで見過ごす事が無い世界、めちゃくちゃよくないっスか?!という想いがある。

ソフトウェア的でありデザインされた決済手段

ここからはソフトウェアに関わる者としてこのサービスの何が魅力的かという話をしたい。

まだ生まれたばかりのバンドルカードというサービス、自分は「ソフトウェア的でありデザインされた決済手段」という認識をしている。例えばカードに保険を付けたいとなればアプリから登録できる、解除もアプリからサクッと完了する。例えばクレジット機能を付与したい、アプリから申請して日々の利用状況から与信判定して限度額算定し機能を付与する。例えば特定の加盟店で買い物をした時に割引される。例えば親子である確認が取れれば親から子へ送金できる。例えば会社の経費精算用のカードとして利用できる。

こういった各種機能の事を「念頭に置いた状態で」ソフトウェアが設計されている/設計していける。加えて、こういった機能が「どうすればわかりやすくなるか」という事を追求してデザインされている/デザインしていける(デザインに関しては以前弊社で働いていたideyutaのブログが最高に詳しい。バンドルカードができるまで)。これが大変おもしろい。

もちろんまだ全然わからない事もたくさんある。というかわからない事ばかりだ。

既存金融サービスを越えていくサービスとはどのようなものか、それを少人数で運営/改善し続ける事は可能なのか、ソフトウェアエンジニア/デザイナーが主導していくC向け金融サービスはどのような形になるのか、求められる安定性が本質的に高い金融領域のど真ん中に現代的な仕組みを持ち込み改善を回すことは競争優位性たりえるのか。

興味をソソる問いは潰えず、ひたすらユーザーとコードに向き合う日々です。

やっていきましょう。

色々なストーリー

今回は漫画が好きな少年みたいなストーリーで話したけど(なぜなら自分が一番感情を込めれるストーリーだから。少年ジャンプは最高。)、この他にもこのサービスの周辺に生まれるストーリーはきっともっと沢山あるはず。

そういうストーリーを一緒に考え、「良さ」の動的均衡点を常に探りながら、共にやっていく仲間を募集しております。お気軽にお声掛けください。また、以下のようなイベントもやっておりますので興味ある方はぜひご参加ください!

あわせて読みたい