メルカリの1on1ワークショップに行ってきた
06/25(火)に開催されたメルカリの1on1ワークショップに行ってきました。学び多い会だったのでブログにまとめます。
流れ
全体的な背景
まずは 石黒さん から1on1強化していく背景となる現状の組織課題、そこを解決する為の概念の一つであるEA(Expection Alingment)、EAをどのように浸透させていくか全体的な施策についての話があった。
資料によるとメルカリはFY2017Q1で376名、FY2019Q3で1,786と組織が急拡大しており、且つグローバル展開もしていることから39の国で生まれ育った人たちが一つの組織として働く環境になっている、という部分は今回のワークショップを受ける上で重要な前提となるなと思った。「急拡大した組織の意思疎通は難しい」という事で、そういう解決が難しい課題にぶち当たった時にどうしているのか、自分が今いる状況に引きつけた際にはどういう策が有用なのか、という部分は全編通して念頭に置いておかないといかんなと思いながら聞き始めた。
ところが、メルカリサイズの会社特有の、みたいな話題はあまり多いわけではなく、どのようなサイズの会社に持っていっても適用可能そうな話題が多く、ワークショップを構築した方たちが一般化できる部分を中心的に話してくれていたのを感じ、本当にありがてぇぇ…となっていた。
EA(Expection Alingment)については以下の本を8割方読んでから参加した。この本自体も石黒さんのブログから知って読んだんだけど「なんとなく感じている概念が言語化されシャープになる」タイプの本で非常に良かった。
この背景説明の部分で印象に残っているのは「1on1も施策の一つ」という部分で、その他にもEAを整備する為に色んなレイヤーで施策を打っているという話。確かに働いてる人にとって一番近いマネージャー的な人がEA揃えるというのは効果的だけど、それ以外の部分でも整える為に打てる施策の幅はあるなという感想を持った。
1on1ワークショップ
ここから 池田さん にバトンタッチし、1on1ワークショップを経験させてもらった。全編通して、
- 1on1に関してはこれだけやっときゃ良いという正解は無いが型は提供できるよ
- 感情的な部分もあるが、あくまでも課題解決手法のうちの一つなので大きく身構えないでもいいよ
- マネージャー陣も1on1で良かったところ困ったところを共有できる場所にしたいよ
というメッセージになっており、マネージメントにこれから携わるようになる人にもきっちり伝わりそうな良い資料だなぁと感じた。自分が特に感銘を受けた部分は以下3つあるのでその辺を詳細に書く。
- 1on1に正解はなくて、マネージャーとメンバーの合意で成り立つべきという姿勢
- マネージャー研修は作ったけど合わないと感じたので1on1に切り替えた
- マネージャー陣にはプロのコーチングを受けてもらう
1on1に正解はなくて、マネージャーとメンバーの合意で成り立つべきという姿勢
1on1の話は結構色々な場所で話題になっていて、記事や本が沢山出ている。そんなタイミングだからこそ「なぜやるのか」という部分を最初に考えようという話。1on1全体に対して「なぜやるのか」ではなく、一人一人に対して「なぜやるのか」を設定し随時見直していきましょうということ。更にこの「なぜやるのか」はマネージャーとメンバー間ですり合わせで構築されるというのが良いなと思うポイントで、業務的な進捗確認のレベルからやりたいという人もいれば、ある程度独り立ちしはじめてる人に対してさらなる成長を目指すために話す事もある。
定期的に時間を取ってなんとなく話す、という事で解決できる問題もあるし、より踏み込んで話すから達成できる目標もあり、以下のスライドにあるように今1on1している人がどの辺りにあるのかを考えながらWhyを設定していくのは確かに大切だなぁと思った。
このワークショップ内で「なぜ1on1をやるのかを周囲の人と話してみましょう」というアクティビティがあったんだけど、自分が話したのは「1on1で何を話すか」という内容=Whatの部分でWhyの話ではなかった。これは確かにちょっと何をやるか側に意識を引っ張られすぎてたなと思い、改めて考えてみるきっかけになったのがとても良かった。
マネージャー研修は作ったけど合わないと感じたので1on1に切り替えた
これは会話の中でサラッと流れたんだけどチームの強さが現れてるワンフレーズだなと思い印象に残っている。プロダクトを作る時もどうしてもそこにかけたリソースに引っ張られた形での意思決定をしてしまう事があると思うんだけど、フィードバックを真摯に受け止めて既存の資産(1on1を自然と行う文化)を活かしながら方針を切り替えているというのは凄い良いなと感じた。
人事制度というか組織自体もプロダクトと同じような感覚で改善回すべき、みたいなのは、なんとなく言葉ではわかっていたけどこのような具体例に接し改めてそれを実行している人たちがいて目線が上がる思いです。
マネージャー陣にはプロのコーチングを受けてもらう
実際に良いものを知らないと再現できない、というのはどの領域にもある程度適用できるTipsだと思うんだけど、確かにマネージメント的な話でいうとそういうケースは「上司がめちゃくちゃできる人だった」等のある程度運に左右されてしまう要素。そこを強制的に良いものを知ってもらう、というのは確かに合理的だと感じた。
こういう細かい部分までゴリっと練られている施策の話は聞いてて改めて背筋が伸びる思いがしたし、多分この辺りも現場の人たちからフィードバックを受けて継続/停止の意思決定を上記のマネージャー研修みたいにやっているんだろうなと思うと、組織の中で人事的な打ち手の仮説検証サイクルが回ってるのを垣間見れてマジで強いなぁと感じた。
まとめ
自分はこういうマネージメントという存在に関わるようになってまだ日が浅く試行錯誤の回数が少ない為、今のタイミングでこのような内容をまとまった形で提示してもらえて、とても勉強になる会だった。池田さんが紹介されていた以下の本も読み、可能な限り実行していきたいと思う。
最後になりますが、このようなイベントを開催していただいたメルカリのみなさん、ありがとうございました!!